成田付属小学校の校長先生は鈴木隆英先生です。小・中・高全ての学校の校長先生を務めていらっしゃいます。
陰山教頭先生は常に小学校におられ、校長先生的な存在の教頭先生です。
常日頃子どもたちを見守る陰山教頭先生にインタビューしてきました。
質問者:キッズさくらカレッジ幼児教室 上田香織
回答者:成田高等学校付属小学校 陰山教頭先生
本日は主に三点に内容を絞ってお話を伺いたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
まずは陰山先生の経歴についてお聞かせください。
大学を卒業しまして、すぐにこちらの小学校に入りました。ですので、今現在までずっと付属小学校に勤めていますので40年以上勤めていることになります。
先生が今の教頭職につかれましてどれくらいになるのでしょうか。
7年程になります。
それ以前のことについてもお話いただいてもよろしいでしょうか。
私は東京の音楽大学を出まして、こちらの学校に入った際は音楽を専門として入りました。音楽を専門として教えていたのですが、同時に担任も持ちました。そうして数年やらせていただいた後、学年主任、教務主任と歴任し、その後に教頭職に着きました。
御校に学校にずっとおられる先生だったのですね。
そうなんです。本当に長いんです。たくさんの子どもたちや保護者の方と出会いました。
わかりました。では、次の質問に移らせていただきます。
先生の教育観についてお話しください。
学力を伸ばすことに限らず何をするにしても、まず大切なことは心であると考えています。ですので、教員になった当初から心を育てていきたいと考えてきました。心を育てるということはとても難しいことですし時間もかかることですが、まずは自分の頭で考えて自分から取り組んでいくという前向きな気持ちと思いやりの気持ちを持つことが大切です。それから美しい物を見て美しいと感じる心、これはできる限り本物を見て色々なことに気づき感じることを大事にします。
本校の教育課程の中でも色々なところに出かけていって自然に触れたり本物を見たりすることで、五感を使って学び、心を耕していきます。心が耕されてくると感受性も豊かになってきますし、心がのびやかになります。そうすることで様々な方面に考えが及び、柔軟性も出てきます。端的に言いますと、地頭の良い子を作っていきたいと考えています。ただテストでいい点を取るということではなく、将来的に伸びていける子を育てていきたいのです。そのために心を育てることが大切だと考えております。
当校には以前から部活動があったのですが、今年から高学年総合という名目で授業の中に取り入れることにしました。4年生以上の子のほとんどが部活動に入っていたのですが入らない子もいますよね。ですが、授業に取り入れることで4年生以上の子全員が取り組むようにしました。やることは部活動に似ていて、例えば音楽部のダンスや剣道、茶道など全部で7つほど行っています。国語や算数といった科目授業以外の活動を通して子供たちのいつもとは違った面を見ることでいいところを見つけるようにしています。
子どもたちも勉強に限らずここなら頑張れるというものがありますと、小学校のうちに芽が出なくても中学、高校で伸びてきます。私はそういった子を育てたいと考えています。
先日のキッズ保護者セミナーで紹介下さった子もとても立派な教え子でしたね。
そうですね。本校を卒業した子の中には、戻ってきてくれる子が多くます。高校を卒業すると、進路報告も兼ねて、よく挨拶に来てくれます。教え子の成長した姿に出会えると、この職業を選んで良かったと思います。
一つは何か輝けるところをということですが、小学校生活の6年間で見つかるものなのでしょうか。
そうですね。何かしらは見つかります。本当に小さいことであれば掃除を一生懸命にやるですとか、挨拶がだれよりもよくできるといったこともそうです。
わかりました。
では最後の質問です。御校の受験を考えている方に何かメッセージがございましたらお聞かせください。
まずは愛情をいっぱい注いであげて家族といると安心する、楽しいという思いをさせてほしいと思います。そのうえで、公園に行ったり動物園に行ったりすることで、親子で一緒に、五感を通じて色々な物に触れて欲しいと思います。実際に触るだけでなく、匂いを通して感じるといったこともいいですね。とにかく五感を使った体験をさせてほしいと思います。そして、そうした体験をしたお子さんに是非来てほしいと考えています。
そこを基礎としてから塾などで勉強を始めると伸びていくと思います。頭と心が固まっているのではなく、柔らかいことが大切です。
五感を使った体験が大切だということ、とてもよく理解できます。
女性ならではの優しさと暖かい眼差を感じる素敵なお話でした。
本日はお忙しい中貴重なお時間をとっていただきありがとうございました。