2010年3月15日 国府台女子学院小学部・堀野先生インタビュー
 
 
 
本日は国府台女子学院小学部・音楽担当の堀野先生をお伺いし、インタビューをさせて頂いてきました。

※ 質問者 : 上田佳弘(以下、キッズ@佳弘)  上田香織(以下、キッズ@香織)   回答者 : 堀野先生

キッズ@佳弘
まず、先生のプロフィールをお聞かせ下さい。
堀野先生
私は本学院の中学部、高等部の卒業生です。現在小学部の方に勤めております。
キッズ@佳弘
小学校は別の学校だったのですか。
堀野先生
はい、公立校に通っていました。
この学校に赴任しましたのは平成14年、今年でちょうど丸9年になります。
キッズ@佳弘
そうしますと、こちらに勤められて結構経っていらっしゃるのですね。
堀野先生
他の先生方に比べればまだまだです。大学を卒業し市川市の中学校に赴任し3年そのあと小学校に5年勤めました。その後、家庭の事情で一旦職を退きまして、10年ほど子育てに専念しました。また、自分のしたい声楽の演奏活動もしていました。そして、国府台女子学院にご縁がありまして、その後。、勤めさせて頂いているというわけです。
キッズ@佳弘
ずっと音楽教師だったのですか。
堀野先生
そうです。私の専門は声楽なのですが、大学では教育音楽といいまして広い分野に渡って学び、その中で主に声楽を学びました。本学院に来てからも合唱指導や歌唱指導に重きを置いています。
キッズ@佳弘
堀野先生が学校の先生になろうとしたきっかけ、また時期などをお聞かせ下さい。
堀野先生
母がピアノ教師だったということで、小さいころからの夢でした。「教える」という事が面白そうだと感じていまして、学校の先生ごっこなど小さい頃からやっていました。ですから、先生になりたいと思ったのは小学校時代のあたりになるでしょうか。
キッズ@佳弘
本当に小さいころから思われてたのですね。
堀野先生
そうですね。一番のきっかけは母だと思いますがもう一つ、小学校の時の音楽の先生が非常に素晴らしい方でして、その方にあこがれてなったとも言っていいかもしれないです。
キッズ@香織
お母様がピアノの先生をされていたということは、先生ご自身も教わっていたのでしょうか。
堀野先生
はい、母にピアノの手ほどきを受けました。
キッズ@佳弘
音楽への下地がしっかりと培われていたという事ですね。
堀野先生
そういう音楽を勉強する環境が自然と周りにあったのかもしれないです。
学校の先生になりたいと思ったのは、小学校の時の音楽の先生の影響も非常に大きかったと思います。
キッズ@香織
それは、先生が授業を受けられていてとても楽しいと感じられたからなのでしょうか。
堀野先生
はい、先生に対して憧れに近い気持ちがありました。卒業する時、当時、保坂明子の「あなた」という曲が流行ったのですが、何人かのお友達と一緒にその音楽のレコードと各自のメッセージを付けてプレゼントをしたということがありました。
キッズ@香織
素敵な事ですね。
堀野先生
ええ。それを先生が、当時のメッセージカードを今になって「これ、あなたがくれたのよね」とおっしゃって、この間持ってきて下さったのです。それで、「あなたは、見事に自分の夢を叶えましたね」とおっしゃって下さいました。先生が家を整理していたら出てきたという事で持ってきて下さったようです。今は自分のお守りとして大事に持っています。
キッズ@佳弘
すごいお話ですね。
堀野先生
そうですね。それを取っておいて下さった先生もすごいと思います。
キッズ@佳弘
お互いにですね。
堀野先生
大変な時はそれを見て励みにさせていただいています。
キッズ@佳弘
小さいころからの夢を叶えられたということで、本当に幸せな事ですね。
堀野先生
そうですね。本当にご縁ってあるんだなと思って、大学卒業して自分の母校に教育実習もさせて頂いたのですが、その時すごく楽しかったという事もあり、是非こちらで教えられたら・・・という思いがあったのですが直には叶いませんで、公立校の方に就職しましたが色々と経験したうちにご縁があったということです。これもまた自分の強い思いというのは叶えられるのかなって、全てがそうではないのですが、音楽に携わって自分がお世話になった所にまたご恩返しといいますか、働くというよりはどちらかと言いますとこの学校ではそういう事を学ぶのですね。御恩とかご縁とか、仏教の教えを受けますので、何か普通では考えられないような強い力を感じたりします。
キッズ@佳弘
学校の方から先生の方にお話があったということなのですか。
堀野先生
そうなのです。本当に不思議なご縁なのです。
キッズ@佳弘
先生はこちらにお勤めになられてまして、学校のどのような点に魅力を感じられますか。
堀野先生
良い所は沢山あるのですが、まず礼儀正しい所です。そして明るくて伸びやかである事が子どもたちの良いところです。学校全体で見ると、仏教の教えを勉強しておりますので、他の学校のお子さんとは違って、御恩とか思いやりとかそういう事が自然と身について、学院長先生や仏教の先生方からのお話が自然に受け入れられていくという事があります。また、児童会活動など、女子のみで行う環境は決断力を養い、女子のリーダーが育ちやすいというメリットがあります。
キッズ@香織
女の子たちだけですと、女の子同士で気が合ってワイワイやっていくんじゃないかなというイメージがあったのですが、結構意見の譲り合いが多かったりするのですか。
堀野先生
そうですね。この間も学院長先生が高校生の謝恩会で、これはいい表現だと思うのですが「おしとやかに男の人も蹴飛ばすくらいな積極性を持って世の中に出て下さい」というお話をされまして、私もすごくその通りと思いました。バリバリやっていく子もいれば、肝心なところで手を上げられないといった子もいるのですが、自分の意見をしっかり持ち、積極的になっていく事が目標でしょうね。
キッズ@香織
大人でも難しい所ですね。ですが、それが出来ればとてもその子にとって自信にもつながると思います。
男の子がいるといないとでは、教室の雰囲気も違いますからね。
堀野先生
そうですね。私は本校の雰囲気に慣れていますけれども確かに小学校といったら共学が一般的かもしれません。しかし、女の子だけだからといって何か引け目があるわけではありませんし、放っておけば収拾がつかないような所ももちろんあります。それを教師が上手に積極性にもっていく必要があります。これが4年生まではただの楽しい楽しいで盛り上がっていて、これが5年生6年生になってくると少しずつ変化して来てとても難しい所ですね。
キッズ@香織
私自身も保護者の立場でこちらの立野副学院長先生のお話を伺った事があるのですが、女の子は5年生6年生になると一人の女性として扱わなければならない、というお話をされていて、「あ、そうなんだ」と思ったことがあります。
堀野先生
そうなんですよ。急に大人になってしまうと言うか大人びるようになるのですかね。ですから、他の公立校の子どもと比べると、うんと大人に見えるのです。同じ学年でもうちの子たちは本当に上級生に見えます。高学年になると場合によっては中学生に見られる事もあります。
キッズ@佳弘
落ち着いているということなのですね。
堀野先生
落ち着いてますね。そして思考能力も高いですし、それは日ごろの学習の成果だと思うのですが、やはり二歩も三歩も前を行っているかなという印象を受けます。
キッズ@佳弘
そこまでに培っている物がたくさんあるということなのでしょうね。
堀野先生
そうですね。多方面から、もちろん毎日の学習もそうですし、私は音楽ですが、音楽だけに限らず美術や図工ですとか体育ですとか皆専科が付きますので、相当高いレベルの物を要求されて子どもたちが付いていくという所もそうなのでしょう。
キッズ@佳弘
音楽の授業は一年生からあるのですか。
堀野先生
もちろんあります。その中で私が担当しているのは3年生以上です。1,2年生は担任の先生が担当されています。
キッズ@佳弘
先生が授業をしていまして、子どもたちのどういった点を伸ばしていってあげたいとお考えでしょうか。
堀野先生
やはり個人が持つ心情、気持ちを素直に出せるように、私の場合発声指導に重きを置くのですが伸びやかに、明るく元気にというのは普通な事だと思うのですが、そこに美しい「響き」を求めています。正しい発声を指導をすることで、一年生から本当にきれいな声が出るのです。幼児的な大きな声で歌う事も出来るのですが、「じゃあ、きれいな声のスイッチを」なんて言いますと、きちんと切り替えて声を出してくれます。(特に今の一年生はすごいです)
キッズ@香織
一年生の時から発声の仕方を教えていくのですか。
堀野先生
聖歌といって仏さまの教えを歌にしたものがあるのですが、それを朝のお勤め、帰りのお勤め、それから仏教朝礼の際に歌います。ほとんど毎日になりますね。朝の歌、夕べの歌、恩徳賛など行事によって聖歌を歌っております。それは一年生も歌うので、私も導入時指導させていただいております。そうすると、音楽の先生が来たということで、普段元気に歌っている子もきれいな声で、きちんと範唱に応えて歌ってくれます。
キッズ@佳弘
そうすると子どもたちはトーンを分けて歌えるという事なのですね。
堀野先生
そうですね。今週卒業式があって蛍の光を歌うのですが、やはりきれいな声で、キーが高く一年生にしては高い音が出てきています。「声はおなかから出しましょう」とか「のどはあくびのように開いて」と言いますときちんとそちらの方に持って行けて、体の使い方を自分たちでコントロールして元気のいい声から美しい響きの良い声にと、ちゃんと反応してくれます。
キッズ@香織
学校の中で聖歌を歌うという事も初めて伺ったのですが随分と日常生活の中に音楽が沢山入り込んでいるのですね。
堀野先生
そうかもしれないですね。
キッズ@佳弘
音楽の授業に限らずなのですね。
堀野先生
はい。この間も小学部全体のお別れ会で6年生を送る会というのがあったのですが、そこでは「いきものがかりのエール」という曲があるのですが、それが合唱バージョンでNHKコンクールの課題曲になっていたのです。去年はアンジェラ アキの「手紙」でして、それは全員で歌って大成功でして、今年はまた難しいから出来るかな?と思っていたのですが、もう素晴らしいのが出来まして、1,2,3年生はメロディーを歌って4,5,6年生が合唱を付け全校で素晴らしい作品になり親御さんも見に来られまして大感動の中送ることが出来ました。この時は私も1,2年生に入って発声指導を行いました。
キッズ@佳弘
先生自身は保護者の方々との接点というのはあるのでしょうか。
堀野先生
はい。私は合唱部を指導しておりますので、子どもたちの保護者の方々には時々お目にかかります。素晴らしい素質を持つ子ども達ですので、昨年は創部一年目でしたがコンクールでは数々の賞をいただきました。
キッズ@佳弘
それは子どもたちの素質もそうかもしれませんが、普段の指導があればこそでしょうね。でなければいきなり賞は頂けないかと思います。
堀野先生
NHKコンクールで千葉県の銅賞、それからTBS子どもコンクールで東日本大会優秀賞、そして朝日新聞の主催の千葉県アンサンブルコンテストでは金賞と銀賞を頂きました。このコンテストは合唱部を二つに分け、その二グループで出場していましたので金賞と銀賞を頂きました。
キッズ@佳弘
二組出場して金、銀ということはワン・ツーフィニッシュですね。素晴らしいですね。
堀野先生
打てば響く・・・ではないですが、良い結果が残せたと思います。
キッズ@佳弘
本当にすごいですね。
キッズ@香織
この合唱部というのは何年生から入れるというのはあるのでしょうか。
堀野先生
4年生からです。
キッズ@佳弘
現在は何人くらい在籍されているのでしょうか。
堀野先生
部員数は現在42名です。6年生が卒業してしまうので、新たに新入部員を募集したいと思っております。
キッズ@香織
こんなに素晴らしい成績を収めて賞も頂いていたら皆からあこがれの的でしょうね。
堀野先生
いや、なかなか活動時間に苦労しています。皆さん遠くからいらしているので、余り長い時間は出来ないという事で、朝15分か20分と午後は30〜40分という短い練習を重ねる事で成果を出しているといった次第です。
キッズ@佳弘
これは毎日活動されているのでしょうか。
堀野先生
ほとんど毎日です。
キッズ@香織
積み重ねなのですね。
堀野先生
そうですね。本当にちょこちょこと積み重ねていっております。でも、声というのは出していないと出なくなってしまいますので、毎日毎日少しでも発声させていくことが大切ですが、コンクール前になりましたらちょっと集中的な練習もしていかないと、課題曲と自由曲とありますので仕上げる為にはある程度の練習時間を設けて行います。
キッズ@佳弘
コンクール前になりますと、例えばお休みの日曜日など集まって練習されるのでしょうか。
堀野先生
夏休みに集中して行います。学校側としてもいくらでもやりなさいという状況ではありませんので・・・文化的な活動ですから応援して頂いていますがあくまで第一は勉強であるということです。
キッズ@佳弘
ですが、こうやって賞を頂きますと学校としても全体で力を入れていかれるのではないのですか。
堀野先生
そうだと良いのですが、まだ余り実績がありませんのでね。今年これだけ良くてもまた来年はどうなるか分かりませんからね。たまたま良い方向に進んだということで学院長先生にも喜んでいただけたようではあります。女の子の学校ですし、今までそういう事がありませんでしたのであってもいいのでは・・・という気持ちから少しずつ始めていったということです。
キッズ@佳弘
そうしますと、こういったクラブ活動やコンクールを通して保護者の方々と接する機会があるということですね。
堀野先生
そうですね。皆さん応援に来て下さいますし、夏休みの練習などはおやつを持って応援に来て下さいます。本当にお母様方の支えがないと出来ない事だと思っています。
キッズ@佳弘
学校側と家庭とでうまく連携していかなければ結果につながってこないという事ですね。これは全ての事に言えるでしょうね。
堀野先生
そうなのです。今日も何人かのお母様がみえて練習を見学して下さいました。
キッズ@佳弘
そういった協力が得られるというのは大変ありがたいことであり心強いですね。
堀野先生
そうですね。子どもたちが一生懸命な姿を応援して下さるという気持ちが自然と沸いて下さる所があるようです。私としてはお忙しい中コンクールの応援に来て下さるだけで本当にうれしいです。
キッズ@佳弘
それだけ家庭のご協力を得られているということは、合唱部の活動自体が非常に良い方向に働いているということなのでしょうね。
堀野先生
日々の学習が大変な中、合唱部の活動を励みとしている子もいるようです。何もしないでいるよりも、活動があってその後、家に帰ってパパッとやろうというような切り替えが早い子たちが多いようです。合唱部に入ったから良くなったという声も聞きます。合唱部に入ったから勉強がちょっと・・・という声は聞きませんので、皆さん、頑張ってくれているのだろうと思っています。
キッズ@香織
日常生活の勉強と合唱部とで、良いサイクルが作れるといいですね。
堀野先生
そうです。それが出来ている子が結構多いみたいです。私もその辺を心配して、「大丈夫、今日結構宿題多いんでしょ?」と聞く事があるのですが、「先生、大丈夫です。」という答えが返ってきますね。
キッズ@香織
頼もしいですね。
堀野先生
やはりそういう事にゆとりのある子は何に対しても前向きです。
キッズ@佳弘
音楽の授業参観というのはあるのでしょうか。
堀野先生
はい。年に4回、授業参観があるのですがその中の2回は必ず音楽が入ってきます。未就学児を対象とした学校訪問というのがあるのですが、その時に音楽室が必ずコースになっていまして、皆さんに喜んで頂いおります。これから入学を考えられている幼稚園児も音楽の授業は楽しく見て下さいます。体育や美術など専科全般に言える事でしょうが、良い意味での発散と言いますか、子どもたちの生き生きとした姿を見られます。
キッズ@佳弘
最後の質問なのですが、現在新校舎のお話が進んでいるかと思うのですが、新しい校舎で音楽室を作るにあたって先生の方から学校側へ何か具体的な希望というのはおありなのでしょうか。
堀野先生
はい、かなりあります。
キッズ@佳弘
やはりありますか。現場の先生からでないと出てこない声というのがあるかと思うのですが、どういった点に希望があるのかお聞かせ願えますか。
堀野先生
色々とお願いをしております。一つは「音響」、音の響きの問題なのですが今の旧校舎は非常に良いのです。これは床などの素材の関係でしょうか・・・反響板を使っているわけではないのですが、古いもので昔ながらの建物ですので、かえって音が良く響くようです。先日も音響の技術の方に「この響きのままお願いします」とお願いしました。
キッズ@佳弘
そうすると、今の状況には全く文句等は無く、そのままを再現したいというわけなのですね。
堀野先生
そうなのです。ですので、普通、音楽室といいますと床は絨毯のようなものなのですが、やはり音を吸ってしまいますので木材の材質にして下さいとお願いしています。外には音が漏れず中は響いてと、いわゆるコンサートホールなんかがそうですよね。それを希望してお願いしていますが、実際そうなるかどうかはお楽しみです。
キッズ@佳弘
わかりました。きっと、他の専科の先生方もそれぞれ希望があるのでしょうね。
堀野先生
それぞれの分野で随分とヒアリングして下さっています。
キッズ@佳弘
実際に授業を通してではないと気付かない点というのがあるでしょうから、その辺を聞いてもらえるのは現場の先生方にとってありがたいですね。
堀野先生
そうですね。ですから、先程お話しましたように合唱部が良い成績を残せたというのも、この旧校舎の響きが良かった事があったのかもしれません。普段響かない所でやっていたらどうだったのかな、と思ったりしますね。管楽器やブラスバンドの指導でしたら、もっと完全に防音されたところでなければ大変な事になってしまうかと思うのですが、私たちの場合は歌なので、ある程度の響きがありお互いの声を聴き合ってハーモニーを作りますので響く事は重要です。
キッズ@香織
楽しみですね。
キッズ@佳弘
今お話頂いた現校舎の作りというのは予めそのような響きを考えての作りではないでしょうから、結果的にとてもありがたいものだったのですね。
堀野先生
ありがたかったですね、偶然の産物でしたから。本当に今のまま持って行きたい気持ちです。
キッズ@佳弘
合唱部の方は今年のコンクールに向け出発していることでしょうから、是非良い結果になるよう頑張ってください。
堀野先生
ありがとうございます。
合唱部の指導の中で友達と声だけでなく気持ちも通い合わせて一つの音楽を作ってゆく事が仏教にも通じると思うのですが、それが普段の授業でももちろんそうなのですが、友達の声と自分の声を寄り添わせるという事を、やはり生活の中でも大切な事ですので、それが合唱の中でも生かせれば・・・と思っております。
キッズ@佳弘
わかりました。
本日はお時間頂き、また貴重なお話を頂きましてありがとうございました。

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