2010年5月29日 日出学園小学校・澤瀬先生インタビュー
 
 
 
本日は日出学園小学校・情報担当の澤瀬先生をお伺いし、インタビューをさせて頂いてきました。
専科授業で情報というのは非常に珍しいと思います。今回は、どのような授業を行っているかなど気になるお話を伺ってきました。

※ 質問者 : 上田佳弘(以下、キッズ@佳弘)  上田香織(以下、キッズ@香織)   回答者 : 澤瀬先生

キッズ@香織
各私学校は公立校と比べまして専科を設けている事が多いかと思います。その為、各校の特色というのがそこに表れているのではないかと考え、今回のように各学校に伺いましてお話を聞いております。親御さん方も校長先生のお話を始め、皆さん熱心にお話を聞いておりますが、それ以外の所からもお話を伺えたらと思っております。

それではお伺いさせて頂きます。
最初に先生のご経歴をお聞きします。先生はどのような勉強をされてこちらの学校に来られたのでしょうか。
澤瀬先生
高校がちょうどこちら(日出学園)の高校を卒業しております。大学は教育学科があるところを出ました。大学を卒業してからは塾関係の仕事をしていたのですが、こちら(日出学園)の小学校の採用試験を受けまして、採用していただく事になりました。塾関係の仕事をしていた時は主に夜の仕事ですから昼間は時間に余裕があるのですね。ですから、何か身につけておこうと思いまして、パソコンのインストラクターの資格を取得することにしました。そうしましたら、こちら(日出学園)の小学校でもパソコンを導入した時期とちょうど重なって上手い具合に採用されたようでして、そこから専科を何年かした後、一時期担任も何年かしたので担任の仕事も分かるようになりましたし、専科としての仕事も分かるようになったのでちょうど運が良かったのかなと思います。
キッズ@香織
そうだったのですか。
先生はいつごろこちらの小学校に入られたのでしょうか。
澤瀬先生
平成10年に参りましたので12年前になります。
キッズ@佳弘
そうしますと、こちらにお勤めになられて結構になるのですね。
澤瀬先生
そうですね。それでも先輩の方々がいっぱいいます。ですが、さすがに10年ともなりますと色々と分かってきます。
キッズ@佳弘
担任の先生もおやりになられたとのことですが、何年間くらいおやりになられたのでしょうか。
澤瀬先生
3年間です。私自信も担任の希望を出していたものですから、ちょうど空きが出来た際に4年生、5年生、6年生と持ちあがりで担当させて頂きました。またちょうどその時、情報の担当者が人手不足でして、日出学園小学校としてはしっかりとした情報教育が必要という事で、情報の担当に戻りました。
キッズ@香織
確かに情報を専科として取り入れている学校というのは、余り多くはないかと思います。授業の一環としてコンピュータを導入していても専科授業として成り立たせているのは学校の特徴だと思います。
澤瀬先生
そうですね。担任の先生がコンピュータ室を使ってというのは他の学校でも行っているかもしれませんが、私どものようにその為の時間をしっかりとって行っているというのは余り聞かないですね。
キッズ@香織
情報という授業の内容について簡単にお聞かせいただけますか。
澤瀬先生
3年生から週に1時間パソコンを使う授業として情報という時間があります。3年生の時にローマ字を学びます。そして、マウスに慣れるためにお絵かきソフトを使います。

お絵かきと言っても普通に絵を描かすのでは幼稚園でもやっている事だと思いますので、本校では紙芝居を作ります。自分たちで本を選んで、それを私が人数分に分け、各シーンをそれぞれ描いてもらい、読んで発表するという具合に進めます。でも今年は、ある図形から創造したものを描かせてみようと思っています。また、2学期からはインターネットも使い始めます。子どもにインターネットを使わせるのは少し不安ですよね。そこで、使い方だけでなく、マナーとかモラルの方もやはり大切であろうと思いまして、3年生でインターネットを使うと同時にそういう勉強も行っています。

3年生は3学期になりますと、ローマ字入力にて平仮名を打ち込むことも行います。4年生になりまして漢字に変換して、4年生の今のこの時期ですとWordを使って思い出カードを作ります。自然教室という宿泊学習があるのですが、そちらで何人かの職員が一日100枚以上の写真を撮ってくるのですが、その写真を自分で選んで用紙に貼りつけて、そこにその時の様子や感想などをはがきサイズ位の紙にまとめた物を思い出カードとしています。そのカード作りを今やっている所です。ですから、4年生になりますと文字の変換も出来るようになってきます。

5年生は更に文字をテキストボックスで作って移動させたりだとか、ワードアートを使ってタイトルを入れたり写真を挿入したりして新聞作りをしたりします。それから5年生後半になりますと、Excelを使いまして成績の推移をグラフで表したりですとかお小遣い表を作ってみたりなどします。

6年生になりますと、とっておきツアーというのを作ります。これはどういう物かと言いますと、日帰り旅行の計画を立てさせるのです。電車で何時何分にどこどこを出発して、どこどこに何時何分に着いてどんなお店に入ったり、又は博物館や動物園、遊園地などに行ったりという一日の日帰り旅行の計画を立てさせます。それが色々な情報収集だとかパソコンでの時刻の検索ですとか、今まで習ってきたことを活用出来るのではないかと思いまして行っています。

それから、日出にはオーストラリアに姉妹校があるのですが、6年生ではその姉妹校の小学生又は中高生とインターネットの回線を通じて会話をするという事も行っています。スカイプというソフトを使って、テレビ電話のように話が出来るのです。これを使って毎年オーストラリアの学校と交流を行っています。
キッズ@香織
それは英語で話すのでしょうか。
澤瀬先生
はい。子どもたちは英語を習っていますので、簡単な英語ですがこちらから英語で聞きます。向こうの人はその言葉に対して英語で返してくれます。逆にオーストラリアの人たちは日本語を勉強しているクラスの生徒たちです。日本語の勉強になるためにこちらに対して日本語で質問をしてきます。それに対し、こちらは日本語で答えを返してあげます。子どもたちからは英語で話してドキドキしたという感想や、をよく聞きます。ですが、とてもよい経験になるのではないかと思います。
キッズ@香織
そうですね。子どもたちにとっては貴重な体験だと思います。
キッズ@佳弘
その会話というのは、子どもたち一人一人が全員行うのでしょうか、それとも代表者のみが行うのですか。
澤瀬先生
全員です。二人ずつ座らせて行っていくのですが、挨拶を含めて3,4文の会話しかできないのですが、全員に会話させています。向こうの学校の子どもたちというのは本当にクラスが少ないものですから、中学生、高校生も時間が空いていれば一緒に会話してくれます。
キッズ@佳弘
オーストラリアですと日本とほとんど時差もないですから良いですね。
澤瀬先生
そうですね。冬場でも2時間しか違いはないです。
6年生の社会にて国際社会についての単元があるのですが、教科書の中では身近な中国ですとか韓国などの内容になっているのですが、情報では姉妹校があるオーストラリアの事を調べてより多くの人たちにオーストラリアの事を知ってもらおうという事で、PowerPointを使って最後に発表して卒業という事になっています。
キッズ@佳弘
プレゼンを行うのですね。それは非常に良い経験ですね。
キッズ@香織
どれも実践に即していますね。日帰り旅行の件もすごく楽しそうだなと思いました。子どもたちがここに行きたいと決めて、実際の時刻表から調べてその日の段取りを子どもたちが決めていくのですね。
澤瀬先生
そうです。子どもたちも調べている事が実際に即していますので、「これいついけるの?」と質問があるくらいです。大体は夏休みにお父さんお母さんと一緒に行ってね、と言っています。
キッズ@佳弘
突拍子もない所に行きたいといって計画する子もいるのではないでしょうか。
澤瀬先生
いますね。でもとりあえず日帰り旅行なので関東近県にしましょうとは言っています。ですが、「先生、日帰りでも沖縄に行って来れるよ」と言う生徒もいますね。
キッズ@佳弘
でも、そうやって本当に行けるんだという事がわかって面白いですね。
キッズ@香織
確かに飛行機を使えば範囲が一気に広がりますね。
澤瀬先生
それで十何万とかかかって、「こんなんじゃもったいなくて行けない」と分かってその場で現実に戻りますね。
キッズ@香織
予算も気にして計画を立てるのですか。
澤瀬先生
予算というのは決めていないのですが、このツアーを実行するのにいくらかかるかという事を調べて合計を出します。
キッズ@香織
各学年色々されていて、情報の授業はとても楽しそうですね。

先生が授業をされていまして、楽しみですとか逆にこの点が大変だ、という事はありますでしょうか。
澤瀬先生
大変な所は幾つかありまして、例えば情報というのは教科書が無いのです。ですから、一つ一つプリントを作って、透明なクリアファイルに入れていきます。3年生の時に購入して、最初に入れるのが情報と書かれている表紙です。その後は、「コンピュータ室の使い方」ですとか「パソコンの名前」ですとか「マウスの使い方」、「文字の入力の仕方」、そういうのを一つ一つプリントに作りまして子どもたちに配っていきますので、それが大変ですね。また画面の状態を印刷して配るのですが、バージョンが変わりますとそれを作り直さなければならないという所がありますし、その辺りが多少大変かなと思っています。
キッズ@香織
確かによく変わりますからね。
澤瀬先生
使っているソフトなんかも変わりますとその都度作り直す必要が出てきます。他の教科には無い前準備が結構必要です。ただ他の教科の先生に言わせると、「自由な事ができるじゃないか」と言われます。確かにそれはそうかもしれないと思って納得もしています。
キッズ@香織
そうしますと、カリキュラムは先生が作られているという事なのですね。
澤瀬先生
そういう事になります。
キッズ@香織
教科書が無いという事は、0から作っているという事ですか。
澤瀬先生
そうですね。
キッズ@香織
かなり大変な作業ですね。
澤瀬先生
今までの経験から「この学年には何をしたらいいのか」という事が大体わかってきましたので、この4年間で小学生として何を学べば中学に行ってからも問題が無いのかなと考えた時に色々と浅く広くではないですが、大人の使うソフトですけれどもどんどん使わせてあげたら良いのかなと考えています。
キッズ@香織
情報担当の先生は、先生お一人なのですか。
澤瀬先生
はい、情報科としては一人です。ただ授業には担任の先生も入りますので一緒に教えています。担任の先生は、例えば私が全体を指導していて遅れている子が操作のちょっとしたミスで先に進めなくなってしまった場合にその子に私がかかりきってしまうと授業が進まなくなってしまいますので、そういう子に対して操作の協力をしてもらっています。
キッズ@香織
先生から見まして、情報も含め、日出学園の魅力というのはどういった点にあると思いますか。
澤瀬先生
私は市川真間の方から歩いてくる事があるのですが、国府台女子(学院)の横を通るのですね。初めて通った時に元気のいい声が聞こえてきたものですから、国府台(女子学院)の子どもたちも元気が良いなと思って横を通ったのですが校庭に誰も出てないのですよ。じゃあ、なんだこの声はと思っていたら日出の方から聞こえてきたので、ああいう朝からグランドで遊べる環境ですとか子どもたちの元気の良さというのが日出ならではなのかなと思います。もちろん他の学校も沢山遊んでいるのでしょうけれども、朝から先生と野球をしたり、はしゃげるのは良い点なのではないかなと思います。
それから担任がここまで面倒をみるか、というのがありますね。電話は年中かけていますし、高学年もそうなのですが、低学年になればなるほど親とのやり取りは連絡帳などでも沢山していますね。生活の習慣ですとか学習の習慣などを付ける為に、ちょっとでも外れている子がいれば直に戻せるようにご家庭と連携するため連絡を取っていますね。そういう丁寧さがすごいと思います。
キッズ@香織
本当にきめ細かく見ているという事ですね。
澤瀬先生
後は専科が多いということも良い点なのかなと思います。担任の先生の目だけだと、「この子はこうなんじゃないか」という先入観と言いますか、例えば国語や算数など主要教科が出来ない子は体育などでいい所があってもなかなかこの子は勉強が出来ないから、という目で見てしまう所があるのかなと思うのですが、日出の場合は専科担当の教員が沢山いますので色々ないい所を担任の先生の方に伝える事が出来ます。そうしますと、担任の先生もまた違った目で、「この子もしっかりと頑張れる所があるんだ」という事に気づけ、それが指導につながってきます。ですから専科制というのはいいなと思います。
キッズ@佳弘
多角的に子どもの事を見る事が出来ますね。
澤瀬先生
勉強以外でも、例えばこの子はいつもちょっかいを出していてこの先危ないのではないのか、もしかしたらいじめに発展するかもといった事に担任にも気づけない点にも気づけたりですとか、それから体調面で今日は悪そうだなとか、そういう事も担任の先生と連携を取り合っていますので、そういう点でも専科制というのは機能しているなと思います。
キッズ@香織
お話を伺っていますと、専科だから独立しているというわけではなく他の先生方と連絡を取りながら一体となってしっかりと子どもを見ているのですね。保護者の立場から見ますと、そのように多方面から子どもを見てもらいますと非常に安心しますね。
先生自身は保護者の方と接する機会というのはあるのでしょうか。
澤瀬先生
あります。クラブで吹奏楽をやっているのですが、練習で残す事があったりしますと親御さんが迎えに来られたりしますし、それから日出祭ですとか運動会などでも吹奏楽が活躍しますので、そういう時に周りに親御さんが来られます。それで普段おとなしいけれどもそういうクラブでは活躍する子なんかもいますので、お母さん方から「うちの子がこんなに出来るとは思いませんでした」という言葉を頂いたりします。後は「何か問題はないでしょうか」と聞かれる事もあります。それから年に一回なのですが、年度末に個人面談週間というのがあるのですね。親と担任の先生が面談をするのですが、希望があれば専科の方にも面談希望を出す事が出来ます。それで低学年のうちはお母さん方も気になるのか、専科の先生に様子を聞くために希望を出されている方がいらっしゃいますね。
キッズ@香織
専科の先生方とも面談が出来るというのは面白いですね。
澤瀬先生
ええ。ですから、卒業式の時なんかは専科の先生の方にも一言お礼を言っていかれる方がいますね。
キッズ@佳弘
やはり先生(澤瀬先生)の方にも来られる方はいらっしゃいますか。
澤瀬先生
いますね。情報の教科としてではなくてクラブ活動の方で来られる方が多いですが、それでも情報の方も楽しかったですよと言って頂けます。
キッズ@香織
クラブ活動は高学年になりますと思い出深い物になりますものね。

最後の質問になります。
保護者の方々、もしくは今後受験を考えている保護者の方々に一言ございましたらお願いします。
澤瀬先生
私立小学校の先生の研修会というのがあるのですが、県内8校のそれぞれの学校にお邪魔して授業の内容を見せて頂いたり校内を案内していただいたりするのですが、どの学校に行っても「日出は負けてないな」という自信があります。ですから、是非お任せ頂きたいという事を言いたいですね。

それから情報はパソコンを使う教科ですが、パソコンを使う人はひきこもりになり易い、パソコン症候群など、よく思われない一面もあり、情報の教科でもそういう人間を育ててしまうのではないかと思われているかもしれないのですが、私自身がそういった事とは正反対の性格ですし、そうあってはならないと考えていますので、しっかりとモラルですとかネットでのエチケット(ネチケット)をしっかりと教えていますという事を言いたいです。
キッズ@香織
結局インターネットなども使える環境にあれば子どもたちはささっと使ってしまいますし、教えなくてもどんどん出来るようになっていくという現実もあるでしょうけれども、親御さん方が気にされるのは有害サイトにアクセスしただとか、あるいは携帯でのメールだとか、行きつくところはモラルであり、使い方であり、そういう点を気にされるのですよね。それで今先生の方から授業でもそういった点を大事に捉えてしっかりと指導されているという事をお聞きしまして、保護者の立場から考えますと非常に安心するなと思います。
携帯電話についての使い方やモラルなどの指導というのはされるのでしょうか。
澤瀬先生
携帯の方は情報の授業としては行っていないですね。それは、日出の小学生は色々な制限がかかっている物しか使ってはいけない事になっていますので、そういう意味で授業の中に取り入れてはいないです。
包丁ありますよね。子どもたちは使いたがります。実際、包丁は便利で料理をするのに必ず使うくらいです。あれを危ないからという理由でずっと子どもに使わせないわけにはいかないですよね。ある所まで行ったら使わせなければならない。だけど、それを見よう見まねで使わせていますか?と言いますと、きちんと使い方を教えていますよね。インターネットもそれと同じだと思うのです。子どもは見よう見まねで簡単にやってしまう所があると思うのですが、そういう危険な事だとか、それからやってはいけない事だとかが包丁の時にもあるのと同じようにインターネットでもあるのです。それを学校ではきちんと教えています。
キッズ@香織
今日は本当にありがとうございました。
情報という授業内容だけでなく、先生の生徒に対する思いや学校の話と貴重なお話を頂けました。
長時間お時間頂き、ありがとうございました。
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