2010年5月29日 日出学園小学校・井上先生インタビュー
 
 
 
本日は日出学園小学校・音楽担当の井上先生をお伺いし、インタビューをさせて頂いてきました。
いつも行っている校長先生インタビューとはまた違った視点による学校に対してのお考えがお聞き出来たかと思います。

※ 質問者 : 上田佳弘(以下、キッズ@佳弘)  上田香織(以下、キッズ@香織)   回答者 : 井上先生

キッズ@香織
まず、先生のプロフィールをお聞かせ下さい。
井上先生
私は、武蔵野音楽大学の卒業で学生の4年の秋から、東京交響楽団のトランペットの団員でした。そこに3年半くらいいました。学生時代に、青山学院のトランペット鼓隊を教えるなどをしていて、小学生との関わりをもっていました。東京交響楽団を退団してフリーで演奏活動をやっていたのですが、大学のほうから、小学校の音楽の先生はどうかと言われて、経験を生かせるし、また演奏活動も行えそうな勤務形態だったので、引き受けました。こちらにきてからも今までの仕事の流れでコンサートや夜はミュージカルなどの仕事をやっていました。
キッズ@香織
ミュージカルというのは、演奏されているのですか。
井上先生
もちろんそうです。
今はここに32年間勤務していますが、30年間武蔵野音楽大学でトランペットの講師もしています。小学生と大学生と結構年齢差があって大変だろうと皆さん思われるようですが、同じ人間です。子どもと大人の違いは何かといったら、経験の差で、経験の差で何が違うかといったら、経験からくる判断力の差になるだけです。あとは人間みんな同じですので、そういうところにアプローチしています。・・・・・小学生には音楽を通して「学ぼうとする力」を身につけるよう指導しています。これは、「学ぶ力」ではありません。要するに知育ではなく、徳育です。徳育とは「学ぼうとする生きる力」を育てるのです。ただ、その徳からいろんな可能性が生まれますが、小学生の可能性を伸ばし過ぎずに、その単位を多く残して大人まで持ち越したほうが良いと思っています。我々だって可能性が沢山あるといわれたほうがいいでしょう。
キッズ@香織
それはそうですね、可能性がないと言われると寂しいですものね
井上先生
子どもの可能性は大人の思い通りに伸ばし過ぎて結果にしてしまうと、可能性自体が消えちゃうんです。「豊かな心」や「自発性」を根本的に失い、他の種類の可能性までも消滅させてしまうことがあるのです。10歳というのは、3600日くらいしか生きていませんから、その中でどれくらい柔軟性のある経験値をもっているかといったら、吸収するだけで意外性に対応できないのが現実です。それゆえ、小学生の間は可能性を具現化するより、事物を豊かに感じ、意欲を持つ力を上手に育てることが大事だとおもいます。それが、未来で諸問題にぶつかったときの自己解決力につながっていくのです。学力に対してもそのうち丸暗記するだけでは駄目になるから、そのときの創意工夫する力にもなります。
毎日コンクールという音楽のコンクールがありますが、小学校の卒業生で今まで2人が1位をとっています。1位というのは技術ではとれません。豊かな感性の問題です。その人がどんな内面を持ってそれを人に伝えられたか、その豊かさです。聞く人を感動させなければいけません。それはどこで培うのかというと、技術ではないところですよ。
キッズ@香織
そうですね
井上先生
具体的な指導ですが、今はちょうど運動会の鼓笛隊をやっています。300人ほどの規模ですが長い時間を掛けて積極的に取り組む心を積み重ね、演技の成果につなげて行こうとしてます。・・・・・鼓笛隊のフォーメーションは300人で構成しないといけません。一人一人の演技はみんな違います。子どもにとってみんなが右に曲がっているのに、一人だけまっすぐ行ったらかなりみっともないことになります。演奏があって、フォーメーションもあって、リズムにも合わせなければいけない。この3種類をいっぺんにやるわけです。全ての構成には一人一人が不可欠です。「いい加減には出来ない」という現実から、本番が近づくとこの3種を自己コントロールできない子には「出来ない部分は吹くな」と言われだします。しかし、吹かないという行為はそこまでの努力が伴っていなければ納得できないことです。全体のために自分がいかに寄与するかということを理解していなければなりません。      5年生には教えてあげないと理解できないけれど、6年生は自分の役割や責任感に芽生えて来ていますから、最終的に自ら工夫します。自分の責任、役割はみんなそれぞれ違います。単に出来るまで機械的にやってしまえばいいというものではありません。鼓笛指導は今その戦いです。

この前、曲全体のバランスがずれたんです。子どもの一生懸命は力いっぱいでガムシャラですから、客観的判断が乏しく周りが聞こえない。このまま終わってしまったら、右往左往しただけで何も残らない。全体の構成から自分の役割を認識させて次に何をするかということを教えるのに必死でした。
演出でもうひとつ気をつけなければいけないのは、お母さん方は自分の子どもしかビデオをとっていないでしょう。
キッズ@香織
そうですね、自分の子どもをまず撮りますね。
井上先生
保護者が求めていることは自分の子どもが輝いていること。暗い顔をしていたら誰でもいやだと思います。・・・・・人が輝くには定義があって「自分を乗り越えて仕事をしているときにだけ人は輝く」ということです。自分を乗り越えたところに充足感とか満足感とか、達成感があるんです。そこにいたることを時間を掛けて築いていかなければなりませんきます。
鼓笛隊は5・6年生でやりますが、それ以前の3,4年でやるのは周りをよく観察できる人間を作っておくこと。特に4年生では友達から学んで、それを自分の中に取り入れて、それを力にできるようにしていかなければいけない。ちゃんとした小さな社会力を計画的に養っておくのです。
キッズ@香織
5,6年の鼓笛にいくまでに、他者から学ぶ力を培っていくことが必要になってくるのですね。
井上先生
そうですね。鼓笛隊から少し離れますが、人間はずーっと「段階的に成長していく過程」があるじゃないですか、その年代年代で学ばなければならないものが必ずあるんです。・・・まず幼稚園時代から情操を育てていくことが必要ですね。1年生も同じですが、情操とは何かといえば、「感情の中の社会的であったり、文化的とかの価値を具えた複雑で高次なもの」です。だからわれわれが子どもに接する姿勢から話の仕方ひとつでも気をつけないといけない。価値のある言い方をしていかなきゃいけない。いいものを見せるとか、聞かせるだけでは違います。環境が大事です。環境が育てるものが気質ですが、それが情操であったりもします。
情操があって、その上に感性が乗っかってきます。感性とは、「ひとつのものを多面的に感じる力。」そこが学ぼうとする力になって、そこに知識や認識が乗ってきます。そのように知育の「学ぶ力」が育っていくとき、心が豊かであればと願います。一人一人の未来を見据え、それぞれにあったやり方を計画的にやるのです。
キッズ@香織
子どもを全員見てないと行えないのですね。
井上先生
そういうことです。教育の最高点は「学ぶほうも教えるほうも同時に納得する」ということだと思います。上手くいかなくても納得する。上手くいっても納得する。納得があるからそこを基点に未来の展望を持つんです。
キッズ@香織
そうですね、日常生活のなかでも納得しなかったらその先もう続きませんね。例えば、けんかしても納得できなければ、「もうあの人とは口を利かない」と思ってしまうこともあります。
井上先生
そうでしょう、未来は無いんです。「未来のために現在を生きる」のですから。「現在のために現在を生きている」人もたくさんいますが、教育は子どもたちの未来を教えているんです。卒業した人は「井上先生って不思議な人」って言います。それはそうかもしれません。常に未来を、みんなの一つ先を教えているんです。納得した過去、現在があれば必ず未来がある。                                                                                  そうそう、私は効率的に指導するために、まずその人の「性格」を知ることから始めます。おなじことをいうのでも、いろんな言い方があるじゃないですか。
キッズ@香織
はい、ありますね。同じことを言われているのに聞けないとか、その言い方ならよくわかるとかありますね。
井上先生
人によって受け取り方が違うので私は人との初対面のとき、その人の言葉の選び方で、その人がどのような感受性を持った人なのか理解しようとします。私の教育活動は小学校で1クラスの授業は45分を週2回だけ。外でトランペットを教えるときも1レッスン30分。その中で互いに納得する成果を得なければならない立場です。そのために毎回その人に合った言葉を選んで伝えることが大切です。レッスン生には自閉症の子も教えますし、様々な業種の専門家や、慶応や麻布の高校生なども来るからいろいろ見抜くのが大変です。・・・そういえば、吹奏楽クラブにも入っていない彼らに「何故くるんだ?」と聞いてみると「勉強だけできても馬鹿にされる」と言ってきます。
キッズ@香織
すごい台詞ですね。
井上先生
普通みたいですよ。そのレベルの学校はみんな勉強はできる。特徴を持っていないと将来何ができるかと言ったら受身的な勉強しかできない。それは一面的で何も生み出せない。彼らはそんな見方をされると困るんです。感性が豊かで面白みのある人と思われるように努力しているのです。
私にはそのようなレッスンを通した経験もあるので、小学校に気持ちを戻してくれば、指導法が更に豊かになってくるのです。、一人一人の性格と取り組み方をみていれば多くを学べます。・・・・・日頃の指導は音楽の力をかりて、音楽教材では「リコーダー教室」というものを1対1でやります。
キッズ@香織
それは授業中にやられるんですか?
井上先生
はいそうです。指導には一斉指導と個別指導とあります。これは個別指導で、リコーダーの音の様子で取り組む心の動きが細やかに聞き取れます。この子は先週どういう気持ちで、どういう音を出したかを覚えていて、「この間より頑張ったね」と一人一人に具体的に声をかけます。私は褒めることをしませんが「認め」ます。それは理由も無いのにただ褒められると、馬鹿にされていると感じたり本当の意図を勘違いしたりもしますよね、大人でも子どもでも認められて褒められたら、それは嬉しいですよ。自分のやったことを自覚しているから、「またがんばろう」と新しい未来が見えてくるんです。なので私は褒めないで認めます。ほんの小さなことでも「ここをこう頑張ったね」とか分析して言います。
キッズ@香織
先生の音楽の授業を受けられるのは何年生からですか
井上先生
5,6年と4年の一クラスです。持ち時間というのが決まっているのです。
キッズ@香織
3,4年のときから先生の授業が受けられるというわけではないのですね
井上先生
そうですね。3・4年生は非常勤の先生がいらしています。しかし、4年生では私が1クラスをもっているので、学芸会の合奏練習を授業の間の休み時間にするときには、一人一人の心構えとかを垣間見たり、この学年の心の発達状況や物事を見抜いて指導します。短い時間でも32年の経験からわかります。
キッズ@香織
もっと下の学年をやられた経験はおありですか
井上先生
低学年にはもう一人専科がいますので。私は受け持っていません。
キッズ@香織
先生が今までやってきた授業の中で、面白かったことなどあればお話ください。
井上先生
我々の年代になると難しいことが面白いので、子どもがいろんなことを達成していくということ、そしてみんなが輝いてくるとかですかね。・・・鼓笛隊は300人くらい相手にしますので全員に同時に細かな指示を瞬時に出来ません。アイコンタクトじゃないとできないんですよね。それで私の気持ちがわかって動いてくれるとか・・・。子ども達によくいうのは、「言われたことをきちんとで出来るのが普通の子」で、「言われたことも出来ない子は駄目な子」で、「良い子は言われなくでも自らやる子」です。これが基本。高学年になると「言われなくても自ら行動する」そんな状況のときには一つの工夫をしてみようとします。すると考えることでそこに認識が生まれます。そこは事物にはいろいろな仕組みがあるんだということが分かってきて、責任ある行動になります。何をしたらいいかと自分から動けるようになる。そんな成長を見るのも面白いなと思います。5年生で身につける力の「考えて行動する」は、鼓笛隊でいろんな創意工夫を強いられてからは順当に育っていきます。鼓笛では一人一人の行動が異なり、考えることが必然になります。どういう大人に育っていくのだろうというのが本当に楽しみです。
キッズ@香織
なるほど
井上先生
そういうことを考えた本があります。これは市販はしていませんが
キッズ@香織
「失敗しないためのレシピ」  作:井上雄二  暮らしの手帖社
とても立派に製本されたものですね
井上先生
これは私の心のリサイタルです。小学校1年生から、大学卒業するまで、パーソナリティが完成する23歳までを一年ごとにどういう成長をしていくかということを書いてあります。私は学校で小学生も教えて音大生も教えて、トランペットのレッスンでは中学生、高校、大学生も一般も教えています。そういう立場は私しかいないかなと思い書きました。書く前にはこういう傾向の本が無いかと本屋を見たんですが、心の成長に関して一貫性を持った本は見つからず、誰も書いていないので出版に至りました。
キッズ@香織
市販されていないのですか?せっかくここまで形にしたものをもったいないですね。
井上先生
他には、講演をします。題材のひとつには「思いやりと同情は違う」とかがあります。「思いやり」とは相手の心の立場にたって考えるのが「思いやり」です。自分の立場で相手を思うのは「同情」ですから、無礼な話ですね。「同情」というのは優越感を感じるんです。「教育はいつも思いやり」です。子どもの立場に立つから気持ちがわかるんです。
キッズ@香織
わが身を振り返って、なかなか子どもの立場に立てていないと思うこともあります。
井上先生
私の妻は猫がニャーと鳴いただけで、おなかすいたのとか水飲みたいとか何をしたいのかが分かります。例えが変ですがそれが思いやりの形だと思います。それを応用すればいいだけの話です。それは努力して練習しないといけません。そうすると一つ一つ変わってきます。
キッズ@香織
そうですね
井上先生
私はHPもやっています。「井上雄二」で検索すると出てきます。何故やりだしたかと言うと、・・・人に見せるというのは、・・・順序としてまず、「思った」ことを自分の中で「考えて」、人にわかり易いように「まとめ」なければいけない。そうすると自分の立ち位置が分かる。「思った」ことを過程を経て形にすると、今度はその次から始められる。一回しかない人生だから、だらだらと時勢に流されてやっていてもしょうがないと思い始めました。書き込みは通勤時間を利用してやっています。日記ではなくコラムのような形式で書きます。自分が育つんです。
キッズ@香織
それらをHPにUPしていらっしゃるんですね
井上先生
そうです。常に自分の勉強です。勉強って可能性を追いもとめるものですから。自分の能力がどこまで伸びるか分からないから面白い。死ぬまで常に追いかけるんです。
キッズ@香織
先生が今実践していらっしゃるような、自分のやりたいことを追いかける術を子どもたちの言葉に落として伝えていらっしゃるんですね。
井上先生
大人が一生懸命やっていることは、子どもにとっては「魅力」という言葉になると思うんです。魅力って内面にあることですから、目先で何かをやることではありません。だからいつも子どもよりも元気、子どもよりも考えて行動をする、そんなことが大事だと思っています。それで子どもがどう思うか。言葉はいらない。その努力はします。
キッズ@香織
先生がこちらの学校で勤務するときは保護者の方と接する機会というのはあるのですか。
井上先生
あまりないです。保護者の目は担任に向いていますから。子どもとのつながりのほうが大きいです。信頼という言葉でつながれば一番いいんじゃないですか。子どもの気持ちを分かってやると、向こうがこっちを信用してくれますから。こっちも信用します。信用しあうとそこに「信頼」が生まれるんです。
キッズ@香織
子どもといえど、一人の人としてということですね。
井上先生
もちろんです。大人と違うのは経験の数だけですから。
キッズ@佳弘
先ほど鼓笛のお話がありましたが、鼓笛指導というのは先生がメインになって指導されているのですか。
井上先生
鼓笛隊は私1人で企画運営をやります。もちろん担任やほかの先生にも仕上げをフォローしてもらいます。
キッズ@佳弘
それは毎年少しずつかわるのですか
井上先生
毎年曲が変わるので全て代わります。曲の抑揚に合わせて演技がみえると、鮮やかに見えます。曲の盛り上がりと演技が逆行していたら、変に見えるでしょう。
キッズ@佳弘
みえますね
井上先生
最低限奇妙にならないようにしなきゃいけないので、毎年かえます。
キッズ@佳弘
どれくらい前から準備されるのですか。
井上先生
4月からです。そのときの旬な曲をやります。
キッズ@香織
4月からその曲と振り付けを考えて、もうすぐ本番ですね(今年の運動会は5月29日でした)
井上先生
5月の11日に企画を終えるんです。その後自然教室の郊外宿泊学習があって、ようやく練習が始まります。
キッズ@香織
練習時間は正味2週間ということですね。みんな短期集中で頑張るのですね。
キッズ@佳弘
予想以外に練習時間が短いと感じました。
井上先生
いやいや、お話してきたようなことをずーっと「心の教育」としてやってきているのです。・・・いざというときに心のつながりがないと駄目なんです。
そのために自分も魅力を持たないといけないし、努力もします。4年生は一クラスですから、5年になって初めて会う子もいます。どんな子に対しても信頼を得なきゃいけない。やらされているとなったら顔は輝かないから。お母さんたちとの勝負もあります。自分を乗り越えさせなきゃいけない。子どもが一人一人の顔が暗かったら、見てるほうも満足しないでしょう。
キッズ@香織
そうですね、親としては。
井上先生
だから無理も言う。でも、・・伸ばしすぎもしない。ロボットにはしたくない。子どもから未来への可能性も感じさせたい。それらを時間を掛け全部計画します。人の期待値も計算の内だから大変ですよ。
キッズ@香織
無理を言うとは、子どもに直接いうのですか。
井上先生
そうです。一人一人の状況を把握して、無理を言っても柔軟性を失わないことを確認していれば成長もするでしょう。そのときに何を得ているかということを大事にして、それを計画的に実行します。
キッズ@佳弘
ちょっと背伸びさせてやらせたときにちゃんと能力を得ているかということですね
井上先生
気をつけているのは、自分に都合のいい生徒を育てちゃだめ。「教師にとって都合のいい子がいい子」で、「教師にとって都合の悪い子が悪い子」となったら最悪ですからね。そうなってはいけないです。だから隠し事はないです。
歌や、リコーダーのテストをするときも、「こういう人が感心する表現が出来たらAをつけます。こういう子は70点、これは65点」とか、全部公表します。つまり、自分が自分にどれだけ頑張ったかという自立に向かった自発性を促します。鼓笛隊も、「自分のリーダーは自分だよ頑張ろう」と言います。リーダーは私じゃありません。
キッズ@佳弘
全体練習はあと1回くらいあるのですか
井上先生
あと1回だけ。もうほとんど終わっていますけれどね。あと手のかかる子は2,3人です。やはり自覚できない子なので、5年のときに言われた注意をそのまま6年でも受けています。最初は15,6人いましたけれど、今は減ってきました。そうなったときにどういう言葉を掛けたらいいかを今考えているところです。
キッズ@佳弘
一度目のアプローチは終わっているわけですものね。
井上先生
一度目のアプローチは何も言わない。そのときに子どもがどんな心の様子か観察します。自覚や周りが見えてない子に対してどういうふうに言葉がけるかが大事です。ずしんとこなくてもいいかもしれないですけれど。「何かへんだよね」って言います。「空気変じゃない?」なんて。
キッズ@佳弘
そこでぱっと後ろをみて気づけたらということですね。
井上先生
そうです。直接は言わないと思います。
キッズ@佳弘
気づかせるように言うということですね
井上先生
そうです。人それぞれに指導内容は違うけど大変なほうが面白いじゃないですか。
キッズ@香織
そうですね。
井上先生
そうやって力を付けていくんです。自分で可能性の単位を増やしていくんです。それが中学高校、大人になって役に立つんです。小学校のときに結果が出なくても中学、高校、大学になって伸びる可能性を育めばよい。
キッズ@香織
今後の子どもを見る目や、教育に対しての考え方が非常に深く、とても感心させられるお話でした。
井上先生
また、出来上がったら見せてください。
キッズ@香織
はい。運動会前の忙しい時間に本日はどうもありがとうございました。
「子育て 失敗しないためのレシピ」井上雄二著 暮らしの手帖社

 この本は、著者ご自身の子育て体験と、幅広い年代の人たちへの音楽教育を通して得た知識と経験を基にした、子供たちの心の成長過程を描いた教育書となっています。
 子供の内面に備わっている目に見えない力や、子供の心と思考力の成長、発達の段階が、幼児期から大人期になるまで細かく描かれています。
 本書を通じて著者は、小学生時代の子供に対して限られた一つのことだけを伸ばそうとすると、やがて「豊かな心」を枯渇させてしまう危険性があり、大事なことは可能性という単位の数を増やしてあげることだとおっしゃっています。
 情報が氾濫する一方、偏った教育法に捕われて子育てをしがちな昨今、今というタイミングには何を見極めてあげればいいのか、今が子供のどんな将来につながっていくのかを考えるヒントになる本です。
 本書は書店にて販売はしておりませんので、井上先生のHP「wider-klingen」を通じて、お問い合わせお願いします。
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