2008年12月16日 聖徳大学附属小学校・松山校長インタビュー
 
 
 
2009年度入試及び、入試以外での学校のことなどを松山校長に伺ってきました。

Q1 今年一次試験では70名の合格をお出しになっていますが、二次試験ではどのくらいの合格をお出しになったのですか。

二次では22名の受験者がおりまして、合格を16名出しています。ですから、今年は今のところ合格者が104名。定数は105名です。今までは90名(30名の3クラス)としていたのですが、入学ご希望の方が増えてきてますので合格者を増やしました。3回目の入試説明会にご出席いただいた方も多かったのです。今年は1回目、2回目は体育館で行いました。3回目は二次試験の為のものです。それでも3回目も組で言いますと40組、子供たちを含めますと全部で80名の方がお見えになりました。ですから、会議室が一杯でした。1回目、2回目と合わせて400名の方がお見えになりました。

といいますと、一次と二次の合格者数の合計を見ますとトータルが104名ということですので、後は幼稚園からの上がりの方ということですか。

そうです。内部の進学によりお入りになる方が、今年は32名です。ですから、内部32名、一次57名、二次15名でトータル104名となっています。辞退者が今後も出てくるかもしれませんので、確定数とは言えません。それでも100名は必ずお入りになると考えています。ですから、例年よりは10名ほど多くなります。
少し話がそれますが、手のひら文庫という読書感想文全国コンクールがあるのですが、今朝全生徒を広場に集めまして表彰会をしたのです。これがすごくて、今年全国から集まった作品が11万2900通だというのです。これは文部省の後援の行事でして、その中で最優秀賞というのがあるのですが、これは全国で6人しかいないのです。その内の一人が当校の子供でした。

何年生の生徒さんですか。

1年生の生徒です。あと、優良賞が二人、佳作が18人、奨励賞が76人でして全部で97名が表彰を受けました。それで例えば優秀賞なんていいますと、四千人に一人くらいの割合なのです。それを97名というのですから、当校の児童は500人しかいないので20%の児童が賞を受けるような作品を作ったというわけです。

そういう子というのは、やはり日ごろから本をよく読んでいる子なのでしょうか。

本はよく読ませていますし、何よりうれしいのはこれから活用型の教育というのを文部科学省が盛んに言っていますよね。要するに、今の子達は知識は持っているのです。ですから、読んだり、計算したりということは出来るのですが、それを上手に活用して自分で何か作品を作るとか、思考判断するというところが駄目なのです。ですから、今全国の6年生を対象に文部科学省が知識理解に関するテストとそれを活用するテストというのを去年からやっているわけですね。やっぱり活用が駄目なんですね。結局応用力といったものになるのですが、何を使ったらいいのかという判断が出来ないのです。ですから、やはりこれからの日本の教育では学んだことを活用していける力を付けるということが、今度の新しい指導要領の精神となっているのです。

確かに私どもの指導している子供にも、思考力はあるけれども遅い子というのがいます。その子たちというのは正しい評価がされないのですよね。長く付き合っていますと、この子は良く考えていて賢い子なんだと分かるのですが、試験という短い時間ですと、中々それは分からないのですよね。

そうです。それで活用する力というのは、子供たちに感想を書かせたり、意見文を書かせてみたり、或いは何らかのレポートを作成させたりと、そういうのが活用する力の一つのスタイルなのです。そういうものを、これからの日本の教育で増やせと言うことなのですが、当校ではそういう点では感想を書くということに関してこれだけの評価をいただけました。

算数の授業の後で学習感想を書かせる。それが大きく効果が出てきているのですね。

そうですね。今は子供たちに、勉強したらその後に、自分で何事であったかを文章として綴らせる事を教室でやらせています。

成果がすごく顕著に出てきていますね。

結局、本を読むと言っても漢字が読めてひらがなが読めれば一応文字を追っかけることが出来ますが、それが読むと言うことでは無いのだよと、さっき全校の子供たちに話をしてきたところです。本を読むと言うことは心がないと駄目なんだよ、と。ですから、例えば「泣いた赤鬼」という作品を読んでも、そりゃずっと読んでいけば文字は読めますが、心情を読み取る心がなければちゃんとした文章は書けないという話をしました。

その心を読むというのは、どうしたら出来るようになるのでしょうか。

結局心で読むといっても、その子の経験の中でしか読めないわけです。ですから、子供たちが何か一つやるというのは、その先行経験とでも言いましょうか、それを私たちはテンプレートと言っています。例えば、ある文章に対して絵を描かせますと、40人いたら40通りの絵を描くわけです。それは、その子の経験から出てくるわけですから、やっぱり経験を豊かにしてあげることと、生きた体験を沢山させてあげる、そこでしょうね。

実際に体験したことがない子は、イメージがわかないのですね。

しかし実際に見たことがない子は全く駄目なのかというとそうでもなく、経験したことがなくても自分で場面を描き類推する力や想像する力が豊かなら読んでいけますからね。そういうところに活用するということの意義があるのです。3年生の感想文で今話しました「泣いた赤鬼」を書いた子がいたのですが、「人というのは外から見える姿かたちだけで見てはいけないということを私はこの作品から学びました」と書いていました。
人間というのは、その人の外見だけで判断してはいけない、その人の心を見てあげることが大切ですと書いてありました。でもそういうことというのは、みんなで価値を共有していければ次の子も同じ気持ちで本を読んでくれるかもしれませんよね。だから、その輪が広がっていけば共通の財産となっていくわけですからね。私は盛んに、「仲間から学べ」と言っているのです。まさにそういうことは仲間がいなければ学べないことでもありますから。

仲間はいい刺激になります。

そうですね、いい刺激です。だから、そういう優れた子がいるとみんなで学べるのです。


Q2 今、仲間から学ぶのだというお話を頂きましたが、近所の子と遊ぶという機会が年々減っていて、特に私立の子達は遠くから通っている子もいて、このような子は更に近所の子と遊ぶ機会が無いかと思います。それで私立校に通わせたいと考えているお母さん方は、自分の子が私立に行ったら遊ばせるのはどうしたらいいのかな、と思っているのが一つの悩み、もしくは疑問としてあるのですが、この辺どうお考えでしょうか。

私どももそのことが頭の痛いところなのです。結局当校も朝8時ちょっと前に子供が学校に来ます。それでバスの時間もありますし、1年生も5時間授業をしています。それで授業が終わりますと先生が方面に分けて、方面ごとに子供たちも班が出来てますので、○○先生は今日は松戸です、といいますと先生が子供たちと一緒にバスに乗って松戸まで行き、電車に乗せてから帰ってきます。そういう朝から2時50分までの間の自由時間と言いますと、2時間目と3時間目の間の休み時間が20分くらいあり、お昼の会食が終わると15分くらい休み時間があり、それくらいなのです。
ですから、バスに乗らずに自分たちで帰れるよ、というのであれば時間を取って4時くらいまで遊ばせて、もっと仲間と遊べる時間を取れるのですが。今は友達と自由に遊べるというのは、朝の20分くらいです。できるだけ子どもどうしのふれあいの時間を作るために行事を活用しているます。例えば春ですと運動会。終わると校外学習。秋になると実習生がお見えになるし、聖徳祭。その節々に大きな行事があるので、確かに行事の時には仲間同士で色々な事を話し合いしたり、何かを作ったりという時間を作っているのです。しかしそれは子供たちの自由な時間ではないですからね。やはりどうしても課題学習になってしまいます。
ですから、何とか自由な時間を作ってあげないと仲間理解が出来ないですよね。だから仲間理解が出来ないから、些細なことでトラブルになってしまう。そういうことが、1年生・2年生の間にかなり多いです。それで2年生後期になりますと、2年間一緒にいたわけですからかなり仲間のことが分かりあえて来ますね。ですから、そういうつまらないトラブルは減少していきます。3年生になりますと、そういう些細なトラブルは無くなってきます。それは子供たちが自分たちでわずかな時間の中で学んでいるのでしょうね。

遅くまで学校で遊んで、後は勝手に帰りなさいとは中々出来ませんからね。時間を作ると言うのは非常に難しいと思います。

私は港区の校長をやっていましたから、その頃から子供の自由時間が少ないのは危惧してました。その時の小学校も家に帰ってから友達と遊ぶなんて子は少なかったですよ。

都内は更にですか。

ええ。やはりゲームなのです。それから、本校よりは遥かに自由な時間が持ててたと思うのですが、その自由時間を仲間と遊ぶと言うよりは個人の遊びとしているのです。これは意味が無い。しかも、長時間やると害が出てきてしまうのです。

そうですね、頭がくたびれるだけで何にもつながってきません。

今、脳の働きの研究をしている先生方が色々と提案されてますよね。余り良くないということでね。

ゲームはやらないでいられるならそれに越したことはないですね。

しかし、それを正面から言ってしまうと、営業妨害になってしまいますからね。教育の一環として言うのはあればいいのでしょうが。

そうですね、日本の一大産業ですから中々難しいですよね。

ですから、日本社会を将来形成する子供たちでしょ。だから、その子たちをどう社会が健全に育てていくのかというコンセンサスが欲しいです。特に感じるのは、例えば携帯電話ですとかゲームとか、こういうものは大人が便利がいいから作ってるものであって、その便利良さというのをどこまで子供たちに共有させるか、どこで歯止めをかけるか、それと子供の育ちとの関係をどう見るかというのは、やはり社会でお互いに考えていかないとならないことだと思います。学校だけでどうにかという問題ではないのです。

確かに、ゲームなんかやってたら宿題をする時間が無くなっちゃいますからね。

結構宿題を出してますからね。
それ以外にも子供たちの心を育てるという面では、大人が文化を共有するということで色々と作り出したものをどこまで子供たちに与えていくかということは、やはりこれは社会全体で考えていかなければならないと思うことが沢山あります。非常に難しい問題なのですが。しかし、当校はそういう点では礼法という一つの大きな指導の理念がありますから、例えば持たせてる文房具などもキャラクターものなど一切持たせてないです。ですから、余り多様な価値観には子供たちが触れてないかと思います。窮屈と言えば窮屈かもしれませんが、育ちの場においてはそういうことも必要なのだと思います。


Q3 校長先生のお考えを父兄の方たちと共有するというのは、学校便りであったりそのようなもので行うのでしょうか。

学校だよりは大切にしています。月1回の発行なので、その月の間で自分の感動した事、逆に言いますと勉強していないと感動は無いのですが自分でリサーチしながら、感動したことを保護者の皆様に伝えるように努力しています。

例えば先ほどお話された携帯電話であったりゲームであったり、校長先生はペンケース一つを取ってもキャラクター物は使わないと言われましたが、そういうことはキャラクター物を使わないでくださいと周知したら働きかけていくものなのですか。それとも、保護者方一人ひとりが自分で気づき、子供はキャラクター物を欲しがっているけれども学校ではこっちを使おう、と保護者が導いていってあげているのでしょうか。

大体伝統的に出来上がっていますので、私が指示しているわけではありません。新一年生の第一回保護者会を入学前に一日入学の形でやっているのですが、その時に学校で必要なものというのを保護者にお話しています。例えば鉛筆はこうして下さいですとか、筆箱はこうして下さいですとか、ランドセルは学校の指定のものがありますとか、ほとんど慣例として指導してると言いますか、世相に反してると言うわけではなく私どもの学校はこういう風なもので教育をします、というように条件を示していると受け止めて頂きたいと思います。その示す条件の中にやはり聖徳の考え方が存在しているということです。そこは公立学校とは違うところだと思います。公立学校は、ランドセルはこうして下さいと言った時にトラブルになってしまう。そこのところが大きく違いますね。私学はそういう自分たちの思いを伝え易いところなのかもしれませんね。

事前に学校のことを勉強されてから入ってきますからね。学校のことを知らずに受ける方はまずいません。
保護者会というのは年に何回くらいおやりになるのですか。

3回やっています。

その会の中では質疑応答などおやりになってるのでしょうか。

それは無いですね。
3回の内、保護者全体会は2回ありますから、1回目の時は私が全ての保護者の方々に体育館にお集まりいただいて、学校の経営方針をお話します。それは5月の初め頃です。全ての学級の授業参観とセットにしています。それで二学期、三学期は、今年の場合は二学期も結局私が教員の要請を受けて話したのですが、そういう全体会というのが大体1時間くらいあります。今回は私が二回とも取りましたけれども、外部の方をお呼びしたり大学の先生に来ていただいたり、後は授業参観をして頂き、その後で保護者会をやったり、懇談会をやったりしているわけです。

それだけ色々とやっていただけると、保護者の方々も安心しますね。

ええ、ですから、沢山の方がお集まりです。朝8時50分くらいから校長の話といってご案内するわけですから、普通はそこは避けて授業参観から参加されるのでしょうけど、朝から皆さん来て下さいます。

それは、やはり校長先生のお話の内容が興味深いものだからでしょうね。

家庭数が今約450ですが、350名近くは朝からお見えになりますね。

おやりになるのは土曜日ですよね。

ええ、土曜日です。

皆さんご熱心ですね。

ありがたいです。感謝しています。


Q4 来年度の試験に関しまして、変更しようという点はございますか。

やることは変わりませんが、中身の変更はあるかと思います。ペーパーテスト、運動能力検査、集団遊び、条件画、後は保護者の方と子供を別々にお話をお聞きするということですね。


ありがとうございました。
今年も長時間お時間いただき、また貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。
キッズカレッジ幼児教室 上田豊治
キッズカレッジ幼児教室 やちよ中央教室