2008年12月8日 国府台女子学院小学部・平田理事長インタビュー
 
 
 
Q1 毎年お聞きしているのですが、今年の入試の概要をお聞かせ下さい。

志願者は去年よりも減りました。去年の出願が213名あったのですが今年は183名でしたので30名の応募者減ということになります。
これは学齢人口の減少や昨今の景気に関わってだと思うのですが、それでも去年は95名、今年は96名と同程度の合格を発表をしましたから実質約2倍の競争率となりました。合格後の辞退者や繰上合格者も若干ありますが、来春の1年生は2学級計70名少々でスタートできそうです。

どこの学校のお話を伺っていましても、やはり今年の受験者は例年に比べて減っていると聞きます。


Q2 今年から入試の形態を変えられまして面接を別日になされましたが、これによりどのような変化があったのでしょうか。

以前の入試当日の面接ですと、実質2,3分しか子供と話せませんでしたが、今年から4,5分と倍の時間も子供の反応を見ることができるようになりました。
結果として付け焼刃ではない子供達の素の部分というのが見えるようになりました。例えば3分だったら行儀よく我慢できるのが、5分になるとどうしても普段の様子が表に出てくる。しかし、まだ幼稚園生ですからそれはそれで構いませんし、極端でない限り、合否に影響はありません。
受け答えの中で、自分の素の言葉であってもきちっと論理立てて話の出来るお子さんについては、当校の面接は「A」評価となります。しかし、面接室の椅子に座っても終始キョロキョロして集中できなかったり、また足をばたばたさせて落ち着かないお子さん、また質問してもお母さんの腕を掴んだまま、こちらの質問にほとんど答えないお子さんはどうしても「C」評価を付けざるを得ません。ただ、実際には面接でこのような評価をせざるを得ないお子さんは、テストの点数でもボーダーラインには入ってきませんね。

なるほど、そういう子はペーパーテストの方も良くないのですね。

そうですね、ですから、実質的には面接だけで不合格になるいうのは稀だと思います。むしろ私たちはテストが同点でしたら面接の良い子を合格させています。


Q3 面接を別日にされましたら、ペーパー試験の時に少し時間的余裕が出来たと思うのですが、ペーパーや行動観察面で何か変更されたところはあるのでしょうか。

ペーパー試験・行動観察とも例年と大きな変更はありませんでした。しかし、入試当日の進行がスムーズに流れたという点は受験生にもメリットになったと思います。

以前は6年生のお姉さんと遊ぶ、というようなことをされてたと思うのですが、最近はどうなのでしょうか。

行動観察に関しても例年と同様な形式でした。6年生に協力してもらい、一緒に指示を出したりして、その中で子供たちを見ていくという形を取っています。

6年生の子達にとっても、このようなお手伝いをするということは良い経験になると思いますし、教育的効果もかなりあると思いますが、参加される子達は事前に練習をするのでしょうか。

本校の児童は、歳下の子の面倒を見ることに比較的慣れています。それは「縦割り」と言いまして、地域ごとに小1〜6年生混成のグループを作り、遠足に行く時など上級生が下級生をリードさせる経験をさせていますので、上級生は大人が考えるよりずっと上手に歳下の子の面倒を見てくれます。
また、文化祭で中庭に小学部遊び場を作ったり、室内でクラブ活動の展示などをするのですが、その時も係の上級生が外来者の幼稚園児などに対し一生懸命面倒を見ておりますね。ですから、その辺は手馴れて物なのでしょうね。

日ごろの学院での生活そのままで動けるということですね。

教師の指示したことに対しては責任を持って進んで動いてくれる児童がほとんどです。私立校の児童はどこもそうなのかもしれませんが、特に女子は心遣いが細やかというのか、相手の立場を忖度して本当に良くやってくれます。

それは受験された皆さんがおっしゃってますね。上級生を見て、「うちの子もああなったら良いのになと思ってます」とお聞きしてます。
受験のきっかけになったとか、志望理由として聞く内容として、在校生のお姉さんにとても親切にされたので、ということをよく耳にしますね。

確かにそれは聞きますね。入試当日の受付や案内も児童に手伝ってもらうのですが、大人に対する言葉使いや受け答えもしっかりしていて、皆さんからお褒めの言葉を頂戴しています。


Q4 ペーパーと行動観察の重要度として、比率はどの程度と考えればよろしいのでしょうか。

行動観察も面接と同様、極端なお子さん以外は減点の対象とはいたしませんので、入試の合否はほとんどがペーパーテストで決まると考えてもかまいません。

そうなのですか。そうしますと、ペーパーが9割くらいと考えておいてよいのでしょか。

はい。
例えば、行動観察で試験官がチェックをした子がいたとします。判定会議で上位よりソートした表を見ながら一人づつ合否の判断をしていく訳ですが、その際に行動観察や面接に特記事項のある受験生は特に慎重に判定を行います。
これは、良い場合でも悪い場合で同じで、例えば行動観察を担当していた教師が「この子は他のお友達が指示を良く判らなかった時に色々教えてあげて、仲良く遊んであげていましたのでチエックをしておきました」と好い面を述べることもありますが、反対に自分勝手に指示を聞かずあっちに行ったりこっちに行った、といった場合も判定会議の審議の対象となります。良い場合でも悪い場合でもその程度によって、判定の中で個々に判断していくという事ですね。
面接試験もほぼ同様で、先ほど述べましたように面接で「C」評価と判定される子供は稀ですし、事実上テストの得点でもこのような受験生はボーダーまで浮かび上がってまいりませんので、試験の得点が良いのに面接だけで不合格と言うケースはごく稀でしょう。但し、例えば今年は出題内容がかなり難しかったので44〜5点は得点しないと確実に合格ではなかったとしますと。それ以下の、40〜43点くらいのボーダーゾーンの範囲から、やはり面接が良い子を優先的に合格としていきますから、そういう意味では面接重視ということになると思います。

やはり面接を通じて、その子のコミュニケーション能力ですとか、そういうところまでご覧になって判定が出るのですよね。

原則は総合判定なのですが、やはり受け答えがきちっとしていて、ちょっと突っ込んだ質問にも暗記でなく自分の考えをその場で的確に表現できるお子さんもいらっしゃいますので、そのようなお子さんには文句無く「A」がつきます。また、回答えの巧緻以上に面接官は、自分なりに答えを考えて素直に答えてくれるお子さんに好印象をもちますね。


Q5 今年度も編入試験をおやりになると思うのですが、編入試験時の注意点というのがありましたらお聞かせ下さい。

編入の意思がある場合は、定員の関係で学年ごとに編入の可否がありますので、出来る限り早めにご相談ください。これは小学部の事務に問い合わせて頂ければいいのですが、詳細なご質問には教務の担当がご説明いたします。

事前に募集学年の通知はされていますが、たまたま我が子の学年の募集が無い場合でもあきらめず相談すべきなのでしょうか。

そうですね、在籍数の大きな変化は少ないと思いますが、保護者の急な転勤など在籍数が変わり募集可能となる学年も無いとは限りません。
ただし、例えば今年の1年生は2クラスで78名の在籍がありますので、この学年の編入枠は今後も多くはならないと思います。高学年になれば80名ほどの在籍でも構わないと考えていますが、低学年の場合は、できたら70名少々で十分指導をしたいと考えていますので、78名でスタートした今年の1年生は3年生以降まで編入は難しいかもしれません。

この間も募集の無い学年の方で編入試験を受けたいという相談がありましたが、やはりまずは学校に直接相談してみることですね。


Q6 毎年お聞きしているのですが、次年度の受験を考えており方に対しまして心構えや準備など、何かありましたらお聞かせ下さい。

小学校の入試はゴールではありませんから、受験のための学習も結構ですが、それ以前に将来を見据えて日々の生活習慣が自然に身に付くような家庭でのご指導を心がけていただきたいと思います。
生活の中で、まず食事や後片付け、家のお手伝いがきちんとできるようになって、それと並行して学習することも普通の生活の一部だと感じてくれれば理想的ですね。勉強だけを切り離して、お父さんやお母さんの方からそれだけを一方的に押し付けたのでは勉強嫌いになってしまうかもしれません。勉強さえしていれば、家のお手伝いはしなくても良いという考えでは、学習が子供の生活の一部として定着しないということです。
また、社会性・協調性は入学後に必須となる能力ですから、 なるべくご近所や幼稚園の子供さん方と複数で遊ぶ機会を多くして欲しいと思います。
さらに、できましたらお母さんの読み聞かせ等で読書にに関心を持つような方向付けをしてください。本校を受験される嬢さん方はほとんどひらがなを読めると思いますから、お子さんが母さんに読んでもらわなくても自分で本を読んでみたいな、と思ってくれれば、知的成長の第一歩だと思います。知的好奇心と言うのでしょうか、子供達の知りたいという気持ちを育てるような本を読んであげたり、選んで買っておいてあげるといいでしょうね。

読む子は本当に沢山読んでますね。

ええ。うちの中学生、高校生でもそうなのですが、大人顔負けでそれこそ一日一冊読んでるんじゃないかというくらい読書好きの子供も多いですね。

そのあたりは、こちら様の学院の教育方針として培われた根があると思います。ひらがなや漢字の学習一つを取っても、とても丁寧な指導だという印象を持っております。

漢字などは宿題でもだいぶ出しておりますからね。こればかりは手を使わせなければ覚えませんから。
また、本校では中学・高校全生徒に同一問題の漢字コンクールというのをやっています。かなり難しい問題なのですが、中学1年生でも60点、70点取る子がいるのです。そして、毎年、中学生の部でも高校生の部でも、得点の上位を占めているのは小学部出身の生徒なのです。今年の中1でトップだった生徒は66点だったのですがその生徒も小学部からの生徒で、やはりとても読書好きな児童でした。
このように上位の子に小学部出身の子が多いのは、小学校低学年から宿題を出して手を使って覚えさせている成果なのでしょう。また、中学に入りますと読書指導が始まります。国語の授業の一環で専門の司書教諭が読書の指導をするのですが、このような取り組みで読書に興味を持った子供は漢字の能力が非常に高くなるばかりでなく、論理的な思考力を飛躍的に伸びるのです。

小学校低学年、特に一年生時ではかなりゆっくりとした指導をするのかと思っていましたが、そうではないのですね。

いわゆるテストして評価するという授業中心ではありませんが、基礎は徹底的に身につけさせます。宿題として、低学年にも同じ字を何度も繰り替えし書いてきなさいというのは出しますが、宿題の量が多くなるのは3年生以降ですかね。
実際に宿題で苦労している子もいないわけではないのですが。不思議なものでお父さんやお母さん方と話していても、宿題が多すぎるという方と、これじゃ足りないからもっと出してもらわないと、という両極端の意見があるのです。話をよく聞いてみると、宿題で苦労しているお嬢さんは、家に帰るとランドセルも開けずてひっくり返り、漫画を読んだりテレビを見たりして、それでご飯の時間になりその後もまたテレビを見て、それでやっとお風呂に入ってから宿題を始めるという生活のようです。
宿題に苦労を感じないお嬢さんは、家に帰るととりあえずランドセルを開き、やれるところまで宿題を片付け、夕食後も休憩を挟んで要領良く終わらせてしまうという生活をしています。
このように学習が生活の一部となっており、時間の使い方がうまく出来ている子にとっては宿題の量は決して多くはないのです。本校は、どんなゆっくりな子がやっても2時間はかからない宿題量を考えてますが、やはり途中で他の事をやったり、時間の使い方が下手だとどうしてもそれ以上の時間はが掛かってしまうのでしょうね。

私どもの教室でも勉強のやり方がわからないと言う子がよくいますが、やり方以前に動いてすらいないのですね。やり方云々よりもまずは行動しなければ始まらないとよく言っているのですが、このあたりは非常に難しいですね。

それは高校生になっても同じことですね。受験期になって勉強のやり方がわからないと先生に聞いて来る生徒には、それを理由に勉強を始めていない生徒も多いですね。

勉強のやり方というのは一番困りますね。
勉強と思って苦痛に思うと何も頭に入ってこないと思うのですが、これはどうして?と疑問にさえ思ってくれればいいのですが。

そうですね。特に小学生くらいの子供たちには、まずそんな気持ちを育ててあげたいですね。やはり学ぶことの基本は知的好奇心ですから。

幼児に教えていましても、やはり「どうしてなの?」と「何でこうなの?」と言う子は、私どもも宿題を出しているのですが、その宿題が苦ではない感じを受けますね。ママがこう言ってたけど、先生どっちなの?って聞いてくる子もいます。

今年の入試では思考分野の問題がかなり難しかったようです。記憶分野の問題は去年より少し難しい程度、数量分野の問題は去年より若干簡単でした。ですから、この2分野を平均すれば例年と同様の難易度ですがですが、やはり思考分野の問題については平均得点率で36%位とかなり難しかったようです。例年はこの思考分野でも平均6割位は得点できているのですが。

今年の思考は言語系の思考だったかと思うのですが、言語能力が全体的に落ちているのでしょうか。

言語能力が落ちているというより、今年は「変則しりとり」の問題や、特に、季節と年中行事の関連についての設問が難しかったと考えています。
去年は30点満点の思考分野の問題が平均で55%、今年が36%の得点率でした。また、受験者平均の総合得点率が昨年は、61.8%なのに対し、今年は56.4%と低調な平均点となったのも、思考分野が難問だったと言う理由でしょう。もう少し簡単な問題だったら、平均も去年並みになったのではないかなと思っています。

私どもも季節の行事は大体やっていまして、それこそ紙物、事物を扱ったものと、色々と組み立ててやっていますが、いざとなったら出来なくこんなものなのかなと思ってしまう面も正直あります。

生活に季節感がなくなっている昨今、こういった問題が適切なのかなと私も考えているところですが、やはり日本の伝統文化としては大事にしたい事柄ですよね。
そういうわけで、来年は思考分野の問題を少々工夫して平均で50%台の得点となる問題にしようと思います。


毎年長時間お時間いただき、また貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございます。
本日はありがとうございました。

キッズカレッジ幼児教室 上田豊治
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